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日米における個人エンジェルの違い
【エンジェルとは?】
エンジェルとは、ベンチャーの世界では「個人の、善意による資本面での事業資金提供者」と定義できると考える。 その延長線上には、資本面でのという但し書きが意味する、「単なる資金提供者ではなく、株主としての権利を主張する立場」という意味も含まれる。

90年代半ばまで、エンジェルという言葉は、日本では「エンゼルマーク」のエンゼル、すなわち直訳での「天使」、あるいはキューピット、 と言った意味でしか一般には使われていなかった。いわゆるベンチャー企業向けの資金提供者という意味で、 日本で「エンジェル」という言葉が認知されたのは、90年代半ば、中小企業創造活動促進法をきっかけとした官主導による第三次ベンチャーブームが加速した頃からである。 しかし、米国でのこの言葉の使われ方は、必ずしも同義とはいえなかった。当時米国ではビルゲイツに象徴されるような、 成功起業家による後進ベンチャー企業への資金還流が、ひとつのパターンとして確立されたことから、 この言葉がクローズアップされ、日本にその意味で移入されたのだが、日本では、個人の資金提供者全般を指して使われている。

【資産家エンジェルと起業家エンジェル】
主に日本では、役員もしくは経営者周辺の親近者などを除いて、 個人が出資して、投資時点から経営面で関与することを意図しているケースは少数と考えられます。 つまり、この種の個人投資家の大半が、公開株式よりも期待値が大きいことを理由に未公開株式に興味を持つ、 資産運用を主目的とした純粋な投資家である、ということであります。彼らの多くは、ベンチャー経営に限れば、知識も乏しく、 事業内容を自分なりに解釈し、成功しそうな「事業」に対して資金を投じます。 これらの投資家は、資金の受け入れ側から見れば、非常にありがたい存在であり、まさに「エンジェル」であるが、対応には注意も必要であります。 この種の投資家は、証券関連の知識には明るいため、出資を受けた以上、適切なタイミングで、 商法上の必要な情報開示を行うことが大事であります。特に、マイナス情報は、積極的に開示するのが良い。株式投資暦の長い人でも、 投資先が突然倒産することなど、念頭に無い人もいます。

ここで注意すべきは、この種の資産家には、先祖からの資産を引き継いでいる、 単なるストック資産家もいれば、事業成功者も含まれる、という事実であります。 後者の多くは、何十年もかけて、会社を大きくしてきた経営者たちであります。 彼らに、ベンチャー企業の経営指導ができないとは言いません。しかしながら、 致命的に欠落しているものがあります。現代のVBの「成長速度の体感」であります。 もはや、証券市場では、純粋なVBには設立後3~5年でのスピード公開が要求される時代であります。 急成長する組織の維持、コントロールを確実に行なったり、諸問題を解決するスピード感覚は、体感した者にしか解りません。 成功するVB経営者は、安泰の時にも尻に火がついた感覚を常に持って動いている。高度成長期に事業を成した彼らから、 学ぶべきことは、自ずと限られてきます。人生の先輩として、また経営的視点で学ぶべきこともあるが、厳しい言い方をすれば、 余分な見識や常識論などを持ち込まれたら、成長速度に影響が出る懸念もあります。 したがって、これら先輩経営者などから出資を受ける場合は、適当な距離を保ちつつ、 ここというところでご意見を頂戴すべきと考えられます。 日本でも、次第に急成長企業の成功者がエンジェルとしての活動を始めている。 さらにその投資先企業の活躍により、起業家エンジェルが身近になる日が待たれます。
 
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